西洋医学のシンブルな考え方*不妊症*不妊治療*漢方解説
ある喘息の患者さんが大学病院へ入院した。大食すると、発作がおこり疾が多くなる。絶食していると非常に楽である。だから喘息は胃からおこると考えて、そのむねを主治医に訴えたところ、大学の若い先生は、「喘息は気管支の病気で、疾は気管支の分泌物だから、胃とは何の関係もない」と言ったということを、京都の坂口弘博士が「漢方の語』で述べている。
この坂口博士がドイツに行かれた際、喘息の患者をみて、「あなたの喘息は胃からきている」と診断したところ、その患者は握手を求めて「東洋の医学はすばらしい、西洋のシンプルな考え方は駄目だ」と言ったという。
さて、明治から現在までの日本医学の主流は、この≪西洋医学のシンプルな考え方≫であった。たとえば、心臓とか肝臓とか腎臓というものが、一つ一つ病気になると、からだ全体の病気がおこる。だから病気を治すためには、悪い心臓や肝臓や腎臓を治すことが必要だ、と考えられた。
ところが最近になり、精神身体医学やストレス学説が発達するにつれ、部分的各臓器が互いに働きあって人間の健康が保たれるし、また病気になった時も、それらが働きあって健康に戻そうとしていることが分ってきた。
つまり、今までの部分的な各臓器の医学が、一個の全体としての人間に総合され統一されて、〈生きた人問の全貌〉として取りあげられるようになってきた。
最近、わが国の医学界にも、従来の古典病理学たる解剖学を基礎とした病理解剖学から、有機体としての病的生活機転を重視する総合的な病態生理学が生れるに至った。
これは、現代医学が東洋医学の立場に一歩近づいてきたことを示す。すなわち現代医学の世界観が、平面的な形態学的研究から立体的な機能学的研究へと進展してきたのである。
それで、医学の基礎である生理学も以前とは考えが随分変ってきたと、生理学者杉靖三郎博士(東京教育大学教授)は述べ、「今までは、心臓の生理、肝臓の生理、腎臓の生理というように、臓器の一つ一つをこまかく調べてそこに理窟をつけ、そういうものを寄せ集めて、人間の体ができていると考え、随って臨床医学も、心臓の病気、肝臓の病気、腎臓の病気というふうに、各臓器別の病気になってしまい、治療も、心臓の薬、肝臓の薬、腎臓の薬というふうであった」(間違いだらげの衛生:杉靖三郎)と言っている。これが、今日までの現代医学の病気と治療の本態であった。
病気の本態を究明する病理学の権威、東京大学名誉教授緒方知三郎博士は、その著「病理学講義』で、「細菌学が著しく進歩した十九世紀の末頃には、伝染病の原因として病源菌が甚しく重要視せられた結果として、その細菌が身体に入れば、誰でも一様に伝染病にかかるものと考えられた。すなわち、外因を甚しく重んじて内因を全然無視したことがあった。こんな中庸を得ない見解は医学の進歩と共に漸次たしなめられて、今日では、内因が病気の成り立ちに対して、病因として重要な役目を演ずるものであるということは何人も疑わぬようになった」
と述べ、なお病変の相互関係について、「患者の身体は、ある一つの病変のみが純粋な形で独立に起っているというようなことは、実際には殆んどみられない。その際、数多くの病変が色々の臓器組織に現われているだけではなく、同一の臓器組織内にも、それらが雑然と混在するのを常とする。従ってこれらの病変の相互関係を明らかにすることは、病理学上個々の病変を正確に理解することと同様に、重要な事柄である。
我々の身体を構成しているすべての組織や臓器は、いずれも各自の機能の異なるにしたがって、これを遂行する適当な形態をもっている。しかし、これら各種の組織臓器は、個々別々に自己の機能を営むものでなく、相互の間に機能的に密接な関係が成り立っていて、その全部が一体となって働いてこそ、ここに一個体としての生活が営まれるのである。この相互関係は、各内分泌間に最も明らかに認められるが、程度の差こそあれ、殆んど全身の各組織臓器間に成り立っているといっても過言ではない。
病変の相互関係はきわめて複雑である。たとい個々の病変を診断したとしても、それらの相互関係を明らかにすることができなければ、適切なる治療は行いえない」と言っている。
今日までの現代医学は、緒方博士の言のごとく、『外因』の病源菌を重要視し、これを発見してやっつける方向に進み、臓器に変化があれば、それを手術して取ってしまうということには驚ぐべき進歩を示している。
しかし、『内因を無視した中庸を得ない医学』であったため、身体のうちから起る高血圧症・動脈硬化症・各種神経痛・関節リウマチ・心臓病・腎臓病・胃下垂・喘息・ノイローゼ・アレルギー・更年期障害など、こういった慢性の病気には殆んど手がつけられていない。
偉大そうな理論はあるが、≪これ≫といって積極的に治すキメ手がない。いわば現代医学の泣き所、盲点である。
それには、「各臓器の相互関係が明らかにされねば、たとい個々の病変を診断しえたとしても、適切なる治療ができない』と、緒方博士の述べるごとくである。
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ある喘息の患者さんが大学病院へ入院した。大食すると、発作がおこり疾が多くなる。絶食していると非常に楽である。だから喘息は胃からおこると考えて、そのむねを主治医に訴えたところ、大学の若い先生は、「喘息は気管支の病気で、疾は気管支の分泌物だから、胃とは何の関係もない」と言ったということを、京都の坂口弘博士が「漢方の語』で述べている。
この坂口博士がドイツに行かれた際、喘息の患者をみて、「あなたの喘息は胃からきている」と診断したところ、その患者は握手を求めて「東洋の医学はすばらしい、西洋のシンプルな考え方は駄目だ」と言ったという。
さて、明治から現在までの日本医学の主流は、この≪西洋医学のシンプルな考え方≫であった。たとえば、心臓とか肝臓とか腎臓というものが、一つ一つ病気になると、からだ全体の病気がおこる。だから病気を治すためには、悪い心臓や肝臓や腎臓を治すことが必要だ、と考えられた。
ところが最近になり、精神身体医学やストレス学説が発達するにつれ、部分的各臓器が互いに働きあって人間の健康が保たれるし、また病気になった時も、それらが働きあって健康に戻そうとしていることが分ってきた。
つまり、今までの部分的な各臓器の医学が、一個の全体としての人間に総合され統一されて、〈生きた人問の全貌〉として取りあげられるようになってきた。
最近、わが国の医学界にも、従来の古典病理学たる解剖学を基礎とした病理解剖学から、有機体としての病的生活機転を重視する総合的な病態生理学が生れるに至った。
これは、現代医学が東洋医学の立場に一歩近づいてきたことを示す。すなわち現代医学の世界観が、平面的な形態学的研究から立体的な機能学的研究へと進展してきたのである。
それで、医学の基礎である生理学も以前とは考えが随分変ってきたと、生理学者杉靖三郎博士(東京教育大学教授)は述べ、「今までは、心臓の生理、肝臓の生理、腎臓の生理というように、臓器の一つ一つをこまかく調べてそこに理窟をつけ、そういうものを寄せ集めて、人間の体ができていると考え、随って臨床医学も、心臓の病気、肝臓の病気、腎臓の病気というふうに、各臓器別の病気になってしまい、治療も、心臓の薬、肝臓の薬、腎臓の薬というふうであった」(間違いだらげの衛生:杉靖三郎)と言っている。これが、今日までの現代医学の病気と治療の本態であった。
病気の本態を究明する病理学の権威、東京大学名誉教授緒方知三郎博士は、その著「病理学講義』で、「細菌学が著しく進歩した十九世紀の末頃には、伝染病の原因として病源菌が甚しく重要視せられた結果として、その細菌が身体に入れば、誰でも一様に伝染病にかかるものと考えられた。すなわち、外因を甚しく重んじて内因を全然無視したことがあった。こんな中庸を得ない見解は医学の進歩と共に漸次たしなめられて、今日では、内因が病気の成り立ちに対して、病因として重要な役目を演ずるものであるということは何人も疑わぬようになった」
と述べ、なお病変の相互関係について、「患者の身体は、ある一つの病変のみが純粋な形で独立に起っているというようなことは、実際には殆んどみられない。その際、数多くの病変が色々の臓器組織に現われているだけではなく、同一の臓器組織内にも、それらが雑然と混在するのを常とする。従ってこれらの病変の相互関係を明らかにすることは、病理学上個々の病変を正確に理解することと同様に、重要な事柄である。
我々の身体を構成しているすべての組織や臓器は、いずれも各自の機能の異なるにしたがって、これを遂行する適当な形態をもっている。しかし、これら各種の組織臓器は、個々別々に自己の機能を営むものでなく、相互の間に機能的に密接な関係が成り立っていて、その全部が一体となって働いてこそ、ここに一個体としての生活が営まれるのである。この相互関係は、各内分泌間に最も明らかに認められるが、程度の差こそあれ、殆んど全身の各組織臓器間に成り立っているといっても過言ではない。
病変の相互関係はきわめて複雑である。たとい個々の病変を診断したとしても、それらの相互関係を明らかにすることができなければ、適切なる治療は行いえない」と言っている。
今日までの現代医学は、緒方博士の言のごとく、『外因』の病源菌を重要視し、これを発見してやっつける方向に進み、臓器に変化があれば、それを手術して取ってしまうということには驚ぐべき進歩を示している。
しかし、『内因を無視した中庸を得ない医学』であったため、身体のうちから起る高血圧症・動脈硬化症・各種神経痛・関節リウマチ・心臓病・腎臓病・胃下垂・喘息・ノイローゼ・アレルギー・更年期障害など、こういった慢性の病気には殆んど手がつけられていない。
偉大そうな理論はあるが、≪これ≫といって積極的に治すキメ手がない。いわば現代医学の泣き所、盲点である。
それには、「各臓器の相互関係が明らかにされねば、たとい個々の病変を診断しえたとしても、適切なる治療ができない』と、緒方博士の述べるごとくである。
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